2007年10月13日

4.高知の元気の源は地方公共交通の最大活用である(けんちゃんのどこでもブログ9月放送分)

高知の元気の源は地方公共交通の最大活用である》
 
 今月のゲストはyassiさんです。yassiさんは香南市夜須町の出身です。大学では都市計画を勉強され、漁村の研究もされています。鉄道や自転車に興味をもたれています。ブログ「今日も自転車は走る」やサイト「土佐の高知の鉄道」なども開設されています。自転車の効用や鉄道や路面電車に大変興味を持たれています。今回のテーマは「高知の元気の源は地方公共交通の最大活用である」ということでお話をお聞きします。
 
1)yassiさんはブログなどで「ファアスト風土化」に警鐘を鳴らされ、高知市の中心市街地の衰退を心配されています。しかし未だに商店街や行政は商業施設を市内中心街にこしらえ、駐車場を増やそうとしています。ファアスト風土化は車社会と関係があるのでしょうか?
 
 ファスト風土化と車社会化は、切っても切れない関係にあります。高知でも、郊外店舗の乱立が激しくなったのは、高知自動車道が高知インターまで伸びてきたときと一致しています。北環状線などの幹線道路が整備されてから、一気に様々な店舗が進出し、その象徴は、2000年末のイオンショッピングセンターの開業です。何もない農地や荒地に道路を造って、それに沿った土地を利用してこそ、広大な駐車場を構えるロードサイド店が出店可能になります。そして遠隔地からの配送を可能にする高速道路の存在も見逃せません。
 ロードサイド店+車社会で地域も人々のライフスタイルも均質化し画一化します。これは、高知のアイデンティティを揺るがしかねない事態です。安い、便利だと言ってこの傾向に無批判に迎合するのは危険です。
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(香南市野市駅の南側を望む。全国ありふれた風景。)
 
2)では高知の都市(とくに中心街)を日常的に元気にする為にはどうすれば良いのでしょうか?中心街に居住者を増やすことも必要であると思いますが。
 
 中心市街地も、商業施設や駐車場の整備を要求するなどどうも他力本願な体質が強いようですね。自分たちで街を魅力的にしようという意志があまり感じられないというか。旧態依然のことをやっていればだれも街には集まりません。ただ郊外の真似をしても、再生は難しいでしょう。駐車場を整備するなど自動車に対応させることばかりの行き着く先は、郊外と変わらない、自動車が氾濫した画一化した空間です。
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(帯屋町アーケード街。残念ながら近年は活気がなくなってきました。)
 郊外とは完全に差別化した街を目指してこそ、元気になると思います。私も良くは分からないですが、人々が安心して歩け、多様な文化ある、出会いがある、個人の営みがある、新たな発見があるような街、例えば、東京で言えば吉祥寺、西荻窪、自由が丘、下北沢などの特色のある街が、参考事例になりそうです。いろんな文化人が、街中に住んでいてあちこちにその痕跡があって、それが街の個性を生み出しています。
 高知では、日曜市やひろめ市場大橋通り商店街など、高知の特色のある部分も多いです。それらと現代的なもの、新しい高知の文化などが上手に共存するようなまちづくりが近道では。また、やる気のある人が、開店できるように支援することも必要でしょう。
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(高知の日曜市。300年の伝統があります。)
 アメリカのポートランドなんかでは、ただの倉庫街だったところが、10年ほどで商店が集積し、若者や観光客も集まるスポットになったパール地区やそれに近接するノブヒル地区などがあります。多くは、地元の個人店であるそうです。短期間に、街を活性化できるという良い事例ですね。
 
3)高齢者は車社会で置き去りになります。高齢者にやさしい街とはどのような街なのでしょうか?障害者も出かけれるようになりますか?
 
 交通権という考え方があります。自由に移動する権利は、人々の基本的な人権の一つだという考え方です。憲法の生存権や幸福権の一種だとも考えられます。車社会はそれに対応しません。地方では車をもてない人、運転できない人にとっては、極めて暮らしにくくなっています。誰かの車に乗せてもらう移動では、自分の意志による移動とは程遠いものです。バスなども運賃が高くて少ない年金生活ではそうホイホイ乗れるものではありません。
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(移動交通手段も含めて、街中をバリアフリーに。浜田光男さん提供。)
 高齢者にとってやさしい街とは、歩いていける範囲か、ちょっと自転車に乗っていける範囲に商店街や銀行、病院などの施設がある街ですね。そして、店主や知り合いの人とも会って、気軽に会話できる街。さらに銭湯なんかがあるとよりいいですね。そして、遠くに行く場合でも、安価に快適に利用できる公共交通があることです。これは高齢者だけでなくだれにとってもやさしい街を実現する必須要素と言っても過言ではないでしょう。
 障害者の方にとっても、今の交通サービスではまだまだ厳しいでしょう。こちらの対応も真剣に考えなければなりません。
 
4)環境にやさしい都市と、人にやさしい都市は同時に可能なのでしょうか?矛盾はしないものでしょうか?
 
 これは、全く矛盾しないと思います。便利な生活に制約が出る、我慢しなければならないことが増えると思われるかもしれません。しかし、不便ということは、見方を変えると、それ以前の状態と考えられます。それは、以前はその状態が当然のことであったわけです。
 もちろん、生活を不便にすることなく、環境にやさしい都市は、実現できます。郊外への拡散を抑えたコンパクトシティは、エネルギー消費を低く抑えることが出来るばかりか、ヒューマンスケールの街でもあります。便利でありかつ持続可能で安定的な街を社会です。
 過剰な車社会は、地球環境に深刻なダメージを与えるだけでなく、騒音、子供の遊び場の減少など生活環境も破壊していますし、事故や大気汚染で人々の生命まで軽く扱われています。緑地の減少やヒートアイランド化も都市環境を悪化させています。
 また、かえって不便になったことも少なくありません。交通渋滞は、その典型でしょう。スプロール化により、行政コストの圧迫にもつながり、地球環境、地域環境、財政の側面からトリプルパンチで負の部分を露呈しているのが、過剰な車社会です。
 
5)yassiさんは自転車の最大活用も言われています。自転車の効用はどのようなところにあるのでしょうか?
 
 自転車は、当然ながら人力のみで動かしますので、呼吸以外でC02を排出しません。窒素酸化物や浮遊状粒子物質などの排出は皆無です。騒音、振動公害も発生しません。さらに走っても停まっても場所をあまりとりません渋滞の緩和になりますし、バカでかい駐車場を造る必要もありません。
 次に、経済的な負担が少ないことは、個人にとって大きな効用です。移動自体はどこまで行ってもタダ、購入費用も、修理費用も自動車に比べて、圧倒的に安上がりです。適切なメンテナンスをすれば滅多に故障しません。それでいて、歩くより楽に速く移動できます。究極のコストパフォーマンスを誇る交通手段です。
 健康維持にも大いに貢献します。車に依存した生活は、滅多に運動しなくなります。これでは肥満などの原因になります。これに加えファストフードを好む食生活は、著しく肥満体質を増やします。自転車ツーキニストの疋田智さんは、自転車通勤を始めてから半年で、83kgだった体重が68kgまで下がったそうです。しかもリバウンドなし。
 ドアツウドア、いつでも好きなときに使える随時性は、自動車と全く同じです。ドアツウドアに至っては、自動車を遥かに凌駕しています。駐車場を探し回ったりする必要もないですし、何か気になるものがあったらすぐに止まることができます。出庫の手間を考えれば、3km程度の移動なら自転車の方が、むしろ速いくらいです。
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(BD-1 capreo。高性能な折りたたみ自転車です。)
 また、交通事故の減少も大きな点です。自動車が関わらない限り滅多に死傷事故は発生しません。それでも事故が発生していますが、多くは飛び出し、逆走、歩道爆走などのデタラメなマナー、ルール無視に起因しています。
 しかし、天候に左右される、長い距離を走ると疲れる、大きな荷物が積めないなどの短所はありますが、あくまでも短所であり、害悪ではないことが重要です。自動車の場合の欠点といえば、害悪をもたらすものが多いのを考えるととるに足らない些細なことだと思います。
 
6)高知の公共交通を最大活用して「環境宣言都市」を名乗る。二酸化炭素を削減する。それを世界に宣言するということなのでしょうか?いまより車の通行量をおおよそ何%減らせればそれが可能なのでしょうか?
 
 今年に入って、東洋町で高レベル放射性廃棄物最終処分場を建設する問題が、発生しました。反対派の候補が当選し、東洋町からは、一切この話はなくなりました。しかし、現実には原子力発電を続ける限り核のゴミは発生しますし、事故のリスクも付きまといます。本当の解決は、原子力発電の廃止に他なりません。反対したからには、環境に優しい地域づくりを本気で推進するべきでしょう。「我々は、原発などに依存しなくてもやっていけるんだ」と、いうことを実践すれば、国際的な評価も高まります。世界の環境首都と呼ばれているドイツのフライブルクも、きっかけは70年代の原発建設計画が発端です。反対するからには、自分たちも環境に優しい生活を心がけなければと意識があってのことです。
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(2007年4月の東洋町長選では、核廃棄物反対派候補が圧勝しました。)
 環境政策に真剣に取り組み、CO2排出を激減させた都市となれば、世界で高知を見る目は変わります。世界的に有名になると観光客も増えますので、高知県、四国の活性化につながります。この場合環境だけでなく他の取組みも必要ですが。「エコで発信していく、食っていく」くらいの気構えがあってもいいくらいです。どうせそのままほっておいても没落する一方だから、ここで一発大きく賭けようかという挑戦してみてもいいのではと、個人的には思うのですが。
 高知は、山がちで平地が少ないためもともと線状に居住地がまとまっています。高知県東部地区も旧安芸線の駅を中心に街が発達した歴史があるなど、意外と公共交通を重視した交通体系への転換は、抵抗無く出来るかもしれません。なんといっても奈半利から宿毛まで鉄道が通じていますし、高知市内には路面電車があります。これを活用しない手はありません。
 鉄道路線を頂点に、フィーダー線にバス路線を位置づけた公共交通整備、駐輪場など自転車利用のサポート、パークアンドライドの整備、カーシェアリングの推進、啓発などによる意識改革などを組み合わせた、交通政策を進めれば、高知都市圏で自動車利用を7〜8割削減することも不可能ではないと思います。もちろん市民の理解を深めること、合意形成を実現することなどは必須です。
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(東洋町甲浦地区。風景画のような美しい風景です。)
 
7)地方公共交通での高知の特色、あるものを挙げてください。それをどう活用すれば高知は元気になれるのでしょうか?最後にまとめをお願いします。
 
 なんと言っても、土佐電鉄の路面電車でしょう。現存する日本最古の路面電車でありますし、あのクリーム色の車体に、前面がカーブした青のライン、腰部のあずき色、屋根の緑色の塗装で、丸みのあるスタイルの車両が、目抜き通りの中央を走る姿は、高知の街と一体化しています。テレビなどで高知が出てくる場合、路面電車が走る姿は必ず出てきますね。しかし、車社会化とそれに伴う郊外化の影響で、年々路面電車もバスも乗客が減り続けています。最盛期の3分の1以下に減っています。
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(土佐電鉄の路面電車は高知県の誇りです。)
 とはいっても、今高知市内で最も便利な交通機関は路面電車です。本数も多く、路面から簡単に乗れる、市内の拠点を結んでいるなど便利な要素はいくつもあります。高齢者の方にとっては、人気が高いみたいです。今ある、路面電車の情緒や味わいを尊重しつつ、直通運転などで使いやすい交通機関に再整備していくことが、高知を元気にする秘訣です。現代的な使いやすいLRTと情緒あふれる古典的路面電車の共存といったところでしょうか?
 また、ごめん・なはり線予土線も特色がある路線でしょう。どちらも車窓からの眺めは抜群です。
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(ごめん・なはり線は、美しい風景の中を走ります。)
 それらの地域公共交通を、通勤、通学、通院、買い物、文化施設へのアクセスなどの生活に密着した生活路線として、さらにビジネスや観光にも最大限活用すれば、自動車の呪縛から脱出でき、そこに暮らす人々ももっと生き生きとしてくると思うのです。
 ひょっとしたら、世界一住みやすい高知県と評価される日も来るかもしれません。

2007年10月11日

東京の公共交通機関はキャバクラよりもボッタクリなのか?

インターネット新聞janjanに、面白い記事が投稿されていた。
 
公共無視「せこい」東京メトロと国:失政の上に莫大な利益・ああ東京に公益なし
 
 
この記事によると、東京の各鉄道網は公共交通の名に値しないと明言している。なぜなら、事業者だけで6事業体もあり、それぞれがバラバラの料金体系を敷いていること、そして難解な路線網(路線図なしで乗り回せる人は「メトロの達人」と呼ばれるらしい)、大手町などの乗り換えの不便さ、などを指して東京の鉄道は公共交通とは言えないと、言っている。
 
 そこまで言うかと思うが、事業者毎に料金を取られる(例え直通運転していたとしても)ことは、「居酒屋で時間により経営者が変わって、その時間帯をまたぐたびに別料金を払わなければいけないということと同義だ。」また、「キャバクラでもお姉さんが変わる際には一言断る。」まあ、キャバクラの話をわざわざ出すこともないと思うが、同じ地域内に関わらず、事業者が変わるたびに別料金が発生する公共交通というのは、よくよく考えてみれば摩訶不思議なものである。
 キャバクラがボッタクリだと思えば、そんなの行かなければいい話だ。しかし、公共交通は全く同じ地域内では選択肢はないに等しいので、それを使わざるを得ない。本来なら、医療や教育など同様に公共の福祉であるはずのものである。それにも関わらず、平気で悪気も無く料金を二重取りしている現状は、「キャバクラ以上にぼったくっている!」と言わざるを得ない、とも考えられる。
 この記者は、こんな状況を痛烈に批判しているが、この問題に本気で取り組む政治家なりが出てこないのも不思議なものである。
 
 東京の場合は、不便で難解で、混雑酷くて運賃が事業者毎に別でも、それしか選択肢がないに等しいので曲りなりにも利用されている。(利用せざるを得ない)
 一方で、地方都市でも、こんな調子のことがほとんどだ。事業者間の連携などないに等しいことが多い。そのため、どんどん利用者離れが進んできた。今、地方都市で公共交通が利用されるには、運賃体系の統一(基本運賃自体も安くすべし)、他種との連携を密にする、本数を確保する、分かりやすく使いやすいネットワーク(バス路線は多くの場合複雑怪奇で組み合わせて使えない)に再編する、情報を提供するなど、色々本気で取り組まないといけない。
 例えば、ドイツでは各都市圏で交通連盟を結成して、運賃体系の統合を図っていることが多い。そのエリア内では、ドイツ鉄道線も地下鉄もトラムもバスであっても、事業者や交通機関が異なっていてもあたかも一つの事業者のように利用できる仕組みが整っている。さらにそれを発展させて、一定エリアの公共交通機関を格安で利用できるパスが発行されている都市もある。環境首都フライブルクのレギオカルテ(環境定期券)なんかが有名だ。
 むしろ、地方都市こそ可能性がある。なぜなら、鉄道路線自体は少ないのでシンプルで分かりやすい。それでも多くの居住域をカバーしている、JR線、郊外私鉄、路面電車にせよ、地下鉄や新交通に比べて、ずっと乗り降りしやすい。 多少の設備改良と、ソフト施策の工夫でずっと使いやすくなる。それには、民間の論理だけに任せず、各種交通機関を調整する交通局(直接運営はしない)の存在が欠かせないが。
 
 「出よ!公共交通改革都市!」
posted by yassi at 20:35| Comment(2) | TrackBack(0) | 公共交通機関 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月26日

ブラジル・クリチバの成功事例(JANJAN記事より)

インターネット新聞JANJANにて、都市計画の世界では有名なブラジルのクリチバが特集されています。
詳しいコメントを含む、文章は、ただいま作成中です。

南の持続可能都市(1) サスティナブルな都市
http://www.news.janjan.jp/special/0403/0403182174/1.php

南の持続可能都市(2) 交通システム土地利用
http://www.news.janjan.jp/special/0403/0403182176/1.php

南の持続可能都市(3) 水害対策と緑地
http://www.news.janjan.jp/special/0403/0403182178/1.php

南の持続可能都市(4) ゴミ・リサイクル対策
http://www.news.janjan.jp/special/0403/0403182180/1.php

南の持続可能都市(5) 貧困層への支援
http://www.news.janjan.jp/special/0403/0403182182/1.php

南の持続可能都市(6) オシャレなテザイン
http://www.news.janjan.jp/special/0403/0403182184/1.php

南の持続可能都市(7) 都市計画研究機構
http://www.news.janjan.jp/special/0403/0403182186/1.php

南の持続可能都市(8) すぐれた選択の波及効果
http://www.news.janjan.jp/special/0404/0403182188/1.php
 
posted by yassi at 02:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 都市計画・海外事例 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月17日

3.ごめん・なはり線の土佐電鉄直通運転のメリットは(けんちゃんのどこでもブログ9月放送分)

《ごめん・なはり線の土佐電鉄直通運転のメリットは》

 今月のゲストはyassiさんです。yassiさんは香南市夜須町の出身です。大学では都市計画を勉強され、漁村の研究もされています。鉄道や自転車に興味をもたれています。ブログ「今日も自転車は走る。」やサイト「土佐の高知の鉄道」なども開設されています。自転車の効用や鉄道や路面電車に大変興味を持たれています。今回のテーマは「ごめん・なはり線の土佐電鉄直通運転のメリットは」ということでお話を伺います。

1)現在は、高知市から奈半利へ行く場合は、JR高知駅まで行き、JR四国経由で後免まで行き、そこから先は、土佐くろしお鉄道で奈半利まで行くことになります。直通運転されています。yassiさんは高知市街を走る土佐電鉄の路面電車がそのまま奈半利まで行く。奈半利から高知市街の路面電車へ走れば良いと言われています。どのようなメリットがありますか?

 
まず最初に、乗り換えなし高須付近から奈半利に至るまでの広範囲と、高知の中心市街地とを結べることです。現在では、土讃線高知駅まで乗り入れていますが、そこから中心市街地に行く場合、路面電車に乗り換えるか徒歩で行くかでやや不便です。県庁方面に行く場合は、高知駅―枡形便があるものの本数が少ないので、はりまや橋で乗り換える必要があります。運賃も高知駅までの運賃と路面電車の市内区間190円が加わり割高につきます。それが、後免町から土佐電鉄線に直通となると乗り換えなしで中心市街地に行けます。知寄町から鏡川橋までは、路面電車としてすべての種別が各駅にとまるわけですから電停を下りたら目的のお店や施設はすぐ目の前ということが多くの場合に実現します
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(ごめん・なはり線 夜須駅付近)
 二番目に、ごめん・なはり線沿線から高知市街への到達時間も短縮します。現在、後免駅から高知駅までは、普通列車で最低でも17分、行き違い待ちがあると25分程度はかかります。そこから路面電車に乗り換えると、はりまや橋まで最低でも10分程度はかかります。そうすると、後免からはりまや橋まで約35分ということになります。一方、土電電車は現行でも、後免町〜はりまや橋を35分で結んでいます。知寄町以東の郊外区間を高速化改良したりして急行運転ができるようにすれば、1520分で結ぶことが可能になります。その結果、現行よりおよそ15分以上の大幅な短縮となります。こうなれば、空港アクセス鉄道も現実味を帯びてきます。
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(土佐電鉄路面電車。堺町から県庁方面を望む。)
 三番目にごめん・なはり線の運行本数を増やすことが、可能にできるでしょう。現在の、土讃線直通は、土讃線も単線で特急列車も走っており、線路容量は限界に近いダイヤが組まれています。そのため、なはり線から土讃線にすべての列車が直通しているわけではありません。一方、土佐電鉄は、後免町から完全に複線です。すべての車両中心市街地まで問題なく直通が可能になります。ごめんなはり線内の現在のダイヤは、1時間に12ですが、これを45本に増発して、一挙に利便性を向上させるべきだと考えています。もちろん、今より待避線や交換可能駅を増やさなければいけませんが、使える公共交通の条件に本数が多いことは必須の要件です。
 
四番目に土佐電鉄線、ごめん・なはり線とも路線の活性化を図れるというメリットがあります。逆に、土佐山田方面へのJR土讃線が寂れるというかもしれませんが、これは公共交通利用のパイ自体を増加させることにより解決すべきでしょう。
 
五番目に、これが最も大事なことですが、クルマ依存社会からの脱出を図るために都市計画や交通計画との関連を明確化する必要があることですつまりは、脱クルマ依存社会を目指す(有体に言うと自動車利用を削減させる!CO2排出を削減する!)ためこそ、公共交通機関の利便性向上を図るわけですそのためには、路面電車、鉄道、バスなどの各種交通機関の役割分担をはっきりさせなければなりません。バラバラに機能している交通機関を再構築し総体的なシステムとして機能させる。これができてこそ初めてLRTの称号を与えられます。
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(海、松林、山と自然に囲まれた美しい風景の中を走るごめん・なはり線。)
 土佐電鉄を介してごめんなはり線とJR土讃線をまず、高知都市圏の基幹交通として位置づけます。そして、バス路線のネットワークを相互補完する形で、構成するというふうにしたらよいと思います。西方面も朝倉あたりからJR土讃線にも直通運転を検討すべきでしょう。また、中心市街地活性化の手段としても有効に機能します。
 「なるべく自動車に依存しない高知メトロポリタンエリア」を目指す上で、もっとも核となるプロジェクトになるでしょう。

2)奈半利から高知市街まで直通運転と言うことになりりますと、ディゼルカーではなく電化しないといけないと思います。電化した場合の費用はどの程度かかるでしょうか?

 当然、電化は必要です。専用のディーゼルカーやハイブリット車両を造るという選択肢もないわけではないですが、市街地で排気ガスを出すとなると、評判が悪いですし、性能や乗り心地も電車にはかないません。電化する方がベターです。電化の費用ですが、だいたい1km1億円といわれています。ごめん・なはり線は42kmですので、4050億円くらいはかかるでしょう。

3)今から30年ほど前までは、土佐電鉄が高知市から南国市免を経て、夜須安芸まで運転していました。安芸市から通勤通学の人達が高知へ来ていました。それを今の時代に再現するのでしょうか?

 その通りです。かつての安芸線では、市内から手結や安芸まで路面電車が直通していました。市街地のみを走る運行にとどまらず、高知の市街地から40km近く先の安芸までを乗り換えなしに結んでいました。この取組みは、現在注目を浴びているLRTに通ずるものがあったと思います。郊外でのスピーディーな運行、連結運転による柔軟な需要への対応、当時は極めて斬新だった直通用車両のスタイルといい極めて先進的な取りくみでした。
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(安芸線があった時代は、市内から安芸まで直通運転していました。写真は、昭和49年の廃止直前に堺町で撮影された600形2両編成の「あき」行き準急電車。長崎さん提供。)
 
それを、この現代にグレードアップした形で復活させるということです。速度や車両のみならず、バスとの連携、運賃面や情報提供面で、安芸線時代よりはとことん使いやすい鉄道、使いたくなる鉄道を目指すべきです。
 
また、東京などでの都心部の地下鉄と郊外私鉄相互乗り入れが盛んですが、その都心部を路面電車で運行するバージョンと考えることもできます。このように参考事例は、国内の身近なところに豊富にあります。
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(都営浅草線を経由して京浜急行電鉄品川駅に乗り入れた京成電車(右)。羽田空港行き。東京では、地下鉄と私鉄やJR線との相互直通運転が盛んです。)

4)朝夕のラッシュ時に知寄町あたりで見ていますと、自動車は1人で約7メートルの道路スペースを専用します。100台で100メートルの渋滞です。路面電車なら1両で60人は運送可能です。2両の路面電車で100人は運べます。交通渋滞の緩和と,廃熱防止になるし、環境対策にもなりますね。パーク&ライドも必要であると思われますが。

 
その通りです道路では、自動車があまりにも偉そうにしています。自転車を歩道に追いやり、歩行者に平気でクラクションを鳴らす・・・。公共交通を活用するということは、自動車利用を最小限にする有効な手段ですね。それは、渋滞緩和、大気汚染や騒音の減少など様々なメリットをもたらします。
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(車は1台に1人で約7メートルのスペースをとります。すぐに道路容量一杯になります。)
 パークアンドライドは、公共交通と自動車の双方の利点を生かした施策ですので、もっと拡充してもいいと思います。
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(県立美術館通電停に隣接したパークアンドライド用駐車場。最も好評でキャンセル待ちだとか。http://www.pref.kochi.jp/~junkan/vision_hp_new/1_3ondanka.htmより。)

5)直通運転の場合、現在の車両でいけるのでしょうか?特別車両ということになると地方の鉄道会社には余力はないとは思いますが? 運転手の技量などもあり対応はすぐにできるのでしょうか?

 
まず、JRやごめん・なはり線で使用している大型の車両を、市内に直通させるのは無理です。一方、現行の路面電車では、ちょっと小さすぎて用事にならないでしょう。中間サイズで、JR車両と同等、いや路面電車としての運行から郊外電車(それも急行快速から各駅停車まで)の高速運行に幅広く対応させるために京急電車の新型車並性能を誇る、専用車両が求められます。自動車から換えて利用されるためには、快適性も重要な要素です。長距離乗車にも対応させるため転換クロスシートを主体にするのがよいでしょう。
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(京浜急行2100形電車。性能も素晴らしく内外装も洗練されたハイグレードな車両です。)
 
当然ながら、カツカツで経営している事業者単独での導入は、不可能です。ハートラムも事業者の負担がままならないので試しに導入した
1編成で止まっています。公的負担は避けられないでしょうが、行政や市民の合意を得ることがあれば実現できるかと思います。
 
事故を起こして突如運休になった福井の京福電鉄ですが、運休により道路の渋滞が激しくなるなど、鉄道の重要性に住民が気づかされ2年後に第三セクター方式のえちぜん鉄道として再出発しました。そこに公的資金が100億円投入されていますが、地域住民の合意がなされた結果です。
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(第3セクターとして出発したえちぜん鉄道。鉄道の有用性を再認識するきっかけになりました。http://tetuoya.fc2web.com/cicle/katuyama-mikuni/h18katuyama-mikuni.htmlより。)
 
また、直通運転にあたって保安装置や運転士の訓練、法律の問題などクリアすべきハードルはいくつも存在します。それらをあきらめずに、一つずつ解決していってこそ直通運転は実現します。

6)高知県庁に「交通局」をこしらえぐらいの気構えがないと運営はできないと思います。高知県庁などと接触してみた様子はいかがでしたでしょうか?

 運賃体系の統合や共通のパスを発行するとなれば、それらを一元化する組織を構築しなければなりません。異なる路線、事業者、モード同士でもあたかも一つの路線であるかのようにするには、それらを統合する交通局の存在は必須です。ドイツなどでは、各都市圏で交通連盟が結成され、ドイツ鉄道、トラム、バス、地下鉄などで共通したしくみで利用できるようになっている都市が数多くあります。都市圏広域を格安で乗り放題の「環境定期」を導入したドイツ・フライブルクも交通連盟の結成によりそれが実現しました。

7)県内メディアの反応はいかがでしょうか?打診はされたのでしょうか?興味をもつ記者はいましたか?

 これは、よくわかりません。メディアとの接触はまだですし。
 
※最後に、試しに作ってみた一つの理想形としての直通運転の路線図です。ここまでやれば地方都市としては相当レベルの高い鉄道システムになるでしょうが・・・・。
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2007年09月16日

2.高知はポートランドやカールスルーエのような特色のある都市になる(けんちゃんのどこでもブログ9月放送分)

高知はポートランドやカールスルーエのような特色のある都市になる》

 今月のゲストはyassiさんです。yassiさんは香南市夜須町の出身です。大学では都市計画を勉強され、漁村の研究もされています。鉄道や自転車に興味をもたれています。ブログ「今日も自転車は走る」やサイト「土佐の高知の鉄道」なども開設されています。自転車の効用や鉄道や路面電車に大変興味を持たれています。今回のテーマは「高知はポートランドやカールスルーエのような特色のある都市になる」でお話をお聞きします。

1)アメリカのポートランド市。路面電車を市内中心街に乗り入れ、トランジットモールをこしらえ、中心市街地の活性化に成功したようです。自動車交通の先進国であるアメリカでなぜポートランドは上手く行ったのでしょうか?

 話は、1970年代初頭にさかのぼります。ちなみに、ポートランドにも路面電車はありましたが、1950年代に一旦廃止されました。「1990年計画」で、当初16本の高速道路(フリーウエイ)の建設が計画されましたが、すべて反対運動にあい、法廷闘争に持ち込まれ3本以外すべて中止されました。
 そのとき、同時に政策は大きな方向転換を行いました。それは、トランジット(公共交通機関)を整備する、トランジット整備とリンクした都市開発を実施する、駐車場をこれ以上新設しないという、まさに交通のパラダイムシフトと言ってもいい内容でした。
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(ポートランドの街並み。http://www.id-core.co.jp/tokiPortland.htmlより。)
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(ウィラメット川沿いの公園。かつては4車線の高速道路であったのを撤去したそうです。http://www5d.biglobe.ne.jp/~okabe/sjohnson/より。)
 バス路線の整備はそのときから始まっていますが、画期的な転換は、
1986年のMAXライトレール」の開業です。ダウンタウンと郊外のグレシャム市を結ぶ、鉄道路線が開通しました。この鉄道は、かつての路面電車とは異なり、ダウンタウンでは歩道から気軽に乗れる市街電車、郊外に出ると駅間も長く高速運転する郊外電車と二つの性質を融合した形になっています。98年、01年、04年にも延伸され、現在さらに新路線を建設中です。それとは別に、市街電車(もちろんかつての古典的電車より近代的なスタイルで)である「ストリートカー」も市が独自で整備して、大きな沿線開発効果をあげました。
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(ダウンタウンと郊外を東西に結ぶMAXライトレール。国際空港にも乗り入れています。http://world.nycsubway.org/us/portland/max.htmlより。)
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(ポートランドストリートカー。MAXとは別にダウンタウン内を南北に結んでいます。http://world.nycsubway.org/us/portland/streetcar.htmlより。)
 一連の取組みには、連邦レベルでの手厚い補助もさることながら、都心部無料などのユーザーサイドの施策、中心市街地を魅力的にする努力(ショーウインドウ、アートボーナスなど)、都市の成長管理など明確な方向性をもった都市計画のビジョンの賜物です。
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(ファーマーズマーケットの様子。農家から直接仕入れた新鮮な野菜や果物が並びます。4ヶ所で水・木・土に開催。このほかサタデーマーケットも土日に開催されます。この辺は、高知市とすごく共通しています。http://www.azumanointernational.com/portland/f_050520_01.htmlより。)

2)ドイツのカールスルーエは「市内のトラムをネットワークを拡充するためにドイツ国鉄網に乗り入れて広大な路線網を築いてきました。」とyassiさんはレポートされています。具体的にはどういうことでしょうか?

 
カールスルーエのトラムは土佐電鉄の路面電車よりも27年も前の1877年に開業しました。開業以来、廃止されずに路線を維持してきましたが、15年前の1992年に大きな快挙を成し遂げました。それは、トラムのネットワークを低コストで拡大するために、ドイツ国鉄(当時)へ直通し、国鉄の旅客鉄道と線路を共用を実現しました。
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(カールスルーエの市街地。比較的新しく誕生した都市です。wikipediaより。)
 これは、並大抵の熱意でなかったそうです。ドイツなどでは、地域の交通を担う電車類(トラム、地下鉄など)と、長距離を走る列車(ヘビーレール)との性質は、同じ鉄道と言っても隔たりは相当なものです。何しろ、鉄道には、長編成の国際特急列車や貨物列車、さらにドイツ新幹線
ICEも走っています。そこに、市内からトラムを走らせることは、例えレールの幅が同じであったとしても、日本で路面電車をJR在来線に直通させるよりも、容易なことではないと考えられます。
 
カールスルーエは、それを利便性向上のためにそれを実現したのです。電圧の違い(トラム:直流750V、ドイツ鉄道:交流15000V)、信号系統、保安装置など技術的な問題、運行上の問題、法律の問題、運転士の訓練など、様々な解決すべき課題はありましたが、それを逐一クリアして直通運転を実現しました。 
 結果は大成功で、郊外から乗り換えなしで都心へのアクセス効果、本数の増加、安価な料金体系と相まって以前の
510倍に乗客数が増えました。それは、当然ながら中心市街地の活性化にも貢献しました。1992年以降、現在まで直通区間を順次拡大しています。その成功は、「カールスルーエモデル」と呼ばれ、カールスルーエを一躍有名にしました。この取組みは、ザールブリュッケンやフランクフルトなどドイツの都市にみならず、フランスや日本(熊本電鉄と熊本市交通局が計画中)にも、広がっています。
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(カールスルーエの中心街。トランジットモールになっています。wikipediaより。)
 このカールスルーエモデルは高知でも応用できそうです。かつて安芸線で、規模、スケールとも全くかないませんが、路面電車が安芸まで直通していました。ごめんなはり線が開業し、高知県東部に鉄道が復活した今、それを現代にグレードアップした形で復活させることは大いに意義のあることでしょう。
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(安芸線があった時代は、市内から安芸まで直通運転していました。写真は、昭和49年の廃止直前に堺町で撮影された600形2両編成の「あき」行き準急電車。長崎さん提供。)

 [参考サイト]
路面電車の課題と海外の事例
トラムと車が共存する未来
独墺四都市紀行
わだらんの欧州旅行記
let's ride a tram! 路面電車紀行
世界のLRTと風景写真のページ
Tram-Compilation (youtube映像)
Tram-Compilation 2 (youtube映像)
Stadtbahn Karlsruhe Ride Systemwechsel in Bad Wildbad (youtube映像)
Ersingen heavy / light rail contrasts. (youtube映像)
特に最後の映像は、トラムと長距離列車や貨物列車との路線共用というカールスルーエモデルのダイナミズムが伝わってきます。

3)yassiさんは「環境保護を真剣に地方都市が考えるのであれば、自動車使用量を減少させないといけない。」と言われています。その目標を達成するための方法手段を教えてください。

 
これは、ちょっと勉強不足なのですが、手段はいくつもあります。クルマは環境に悪いので控えるべきという哲学だけでは、まず減らせません。政策での裏づけや、仕組みを整備することが重要になってきます。
 
一つ目に、自動車に替えて利用してもらえる、公共交通の整備や、自転車利用環境の構築です。そうでないとなるべく動くなということになってしまいます。ハード面だけでなく、料金や情報面のソフトの整備も鍵を握っています。二つ目に、ロードプライシングや駐車料金の値上げ、乗り入れ制限、違反取締りの強化など自動車利用を不利にする方法。利便性を制限するのでいかに納得してもらうかが重要です。三つ目に、TODTransit Oriented Development)と呼ばれる公共交通を重視した開発方法です。他にも、色々あります。
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(巨大な郊外型のショッピングモールは「まちこわし」の一例であると言えます。)

4)キーワードに「コンパクトシティ」があります。「スプロール」と対極の都市づくりの方法であると思います。高知市は今後の都市づくりはコンパクトシティで行くべきでしょうか?

 現在は、商業施設は郊外に脈絡無くバラバラに拡散しています。公共施設も一部が公共交通でアクセスが難しい郊外に立地しています。高知市は、もともと東西に長い形態をしていますから、必ずしも、超コンパクトシティである必要はないと思います。塊状コンパクトシティというよりは、公共交通の軸線上に、再活性化を図る線上コンパクトシティの方が、向いているでしょう。

5)最近は「カーシェリング」という言葉もよく耳にします。具体的にはどうすることのでしょうか?国内での事例はありますか?また地方都市にも広がる可能性はありますか

 「カーシェアリング」とは、数人〜数千人と規模は様々ですが、自動車を共同で管理し使用する仕組みです。例えば、協会に加盟し、年会費などの会費を払う。利用のたびに、車種や走行距離、利用時間により使用料を支払うというシステムです。レンタカーに似てますが、日常生活でも気軽に利用できるところが大きな相違点です。
 
これは、無駄な自動車利用を抑える上で大変有効です。現状では、一旦、自動車を所有してしまうと、それを最大限に使ったほうが安上がりになるので、公共交通機関が利用できても自動車を無理に使ってしまいます。購入、所有に高くつき、利用にかかる費用が比較的安いですから。
 
カーシェアリングだとそのような無駄な利用をなくすことができます。利用料金には、ガソリン代以外にも、購入費、管理費用、整備費用が含まれた形ですので、それなりに割高につくでしょう。だから、便利な鉄道が並行しているのに車で行く、ちょっと500m先にタバコ買いに車で行くなんて利用は、まず考えられません。例えば、休暇に家族旅行で使う、大きな荷物を運ぶ、山岳地など車でないと行けない場所に行く時など、自動車の利点を大いに発揮できるときにこそ、自動車に大活躍してもらうことが可能になります。
 
利用者にとっては、用途(利用人数、荷物の種類、目的地)に応じて、適した車種を選択できる、賢く使えば、マイカーを保有するよりずっと安上がりになるなど、明確なメリットがあります。現状でも、家庭で二台目の自動車の替わりにすることはできると思います。
 
質の高い公共交通機関、自転車利用のサポートで、大部分のニーズを満たし、残りの部分をカーシェアリングでまかなうとすれば、大幅に自動車利用は削減できます。
 
日本では、横浜市で実験的な取組みがあるみたいです。高知県では、とくに経済的メリットが大きいかもしれません。

6)高知に「路面電車博物館」は必要ではないでしょうか。もしくはバスの博物館もふくめて地方公共交通博物館もこしらえたら良いと思いますが。高知県民の「心のふるさと」になるのではないかと思います。

 
確か「土佐電鉄の電車とまちを愛する会」浜田光男さんも提案されていました。路面電車の博物館はどこにもないですから、こしらえる意義は大いにあるでしょう。そこでは、日本の路面電車のみならず、世界のLRTやトラムの写真や模型、土電の歴史のみならず、運転シミュレーターも置いたらいいですね。できれば、各地で引退した車両も展示する、常時、実物の車両を体験運転できるとなれば、アンパンマンミュージアムに匹敵する集客施設も夢ではないと思います。
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(アメリカセントルイス市にあるユニオンステーション。かつての駅は商業施設になっていますが、機関車も実物が展示されていました。)
 バスの方も、最近、高知県交通が旧型モノコックバスのうち
1台を動態保存することを決めました。土電も、ボンネットバスがありますし、旧型バスがまだ残っています。ここ最近で激減しましたが。
 
ただ、博物館は、実用のインフラではないですので、肩ひじ張らずに気軽に考えていいでしょう。
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(残り少ない旧型のモノコックバス。写真の高知県交通「高22 ・744」号は動態保存することに決定しています。)
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(土佐電鉄218号は、1999年10月に引退しましたが、車体は高知市に寄贈され、わんぱーくこうちに展示されています。浜田光男さん提供。)

7)市民の合意形成が必要であると思います。中学生に説明するとすれば「どのような都市政策」を実行すると説明すればいいのでしょうか?

 
これは、正直どう答えたらよいか難しいです。あえて苦し紛れですが、「自分たちが住んでみたい、誇りに思える、外からも行ってみたいと思われる街にする。」また、「サステイナブルな環境調和を目指す都市づくりを実行する。」と説明すればよいかと思います。「もちろん、街の姿は、はあなたがたひとりひとりの行動の集積です。一緒に街をつくっていこうじゃないか!」と、こういうあたりでしょうか。
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(低床式バスも導入されています。浜田光男さん提供。)

2007年09月15日

1.車を捨てて街を元気に(けんちゃんのどこでもブログ9月放送分)

車を捨てて街を元気に》

 今月のゲストはyassiさんです。yassiさんは香南市夜須町の出身です。大学では都市計画を勉強され、漁村の研究もされています。鉄道や自転車に興味をもたれています。ブログ「今日も自転車は走る」やサイト「土佐の高知の鉄道」なども開設されています。自転車の効用や鉄道や路面電車に大変興味を持たれています。今回のテーマは「車を捨てて街を元気に」ということでお話を伺います。

1)yassiさんは「車社会に地方都市が無自覚に依存しすぎると都市が拡散し、特色のない都市になり衰退する。」「ファースト風土主体のロードサイド店舗は全国何処にもあるし都市としての魅力はない」と言われています。高知市も野市あたりもそういう街になりつつあるのでしょうか?

 
そうですね。高知でも野市でも幹線道路沿いに、様々な店舗が立ち並んでいます。巨大ショッピングセンター、ファストフード店、紳士服サラ金、パチンコ、カラオケ、ファミレス、ラブホテル、レンタルビデオ店、コンビニ、果ては葬儀屋までと、色々あります。全国の、幹線道路を走るとお決まりのようにこの光景が繰り返し出現します。岩手だろうが、熊本だろうが、群馬だろうがどこでも同じような道路と、店舗群が見られます。本当に、ファストフードの一律のシステムのように、同じような光景です。これでは、本当にここはどこかと思ってしまうくらいです。確認できるのは標識の地名だけですね。余談ですが、ツーリングでは街中は旧道を走らないと、旅の意味すら失われてしまいます。
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(高知県香南市野市。ロードサイド店舗が道路沿いに張り付き特色のない町になりつつあります。)
 さて、ここ
10年ほどでその傾向に拍車がかかりました。中心市街地に活気があった高知市でも、西武が閉店、映画館もすべて閉館するなど中心市街地の衰退傾向が激しくなったかわりに、イオンを中心として北環状線沿いは、活況を呈しています。それにより、今までに考えられなかった、ライフスタイルを享受することができるようになりました。
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(広大な敷地に大規模な駐車場を有するイオン。おかげで地方都市の商店街は壊滅状態に。)
 
しかし、それに迎合することは非常に危険です。自動車依存型の都市構造や店舗での照明や冷暖房の過剰使用にによるエネルギーの浪費、環境破壊もさることながら、中心市街地という地域の顔を失いかけています。歴史のある街は、様々な人がいて、時代の積み重ねがあったりして、固有の文化を持っていました。それを一挙に破壊してしまいます。そうなった地方都市は特色がなくなり、観光にも大打撃を与えます。「街」の喪失は、個人の主体性も、人間的な空間も失います。地域から具体的な個人の性格を消してしまったと言い換えてもいいでしょう。自動車に乗れない高齢者の方々にとっては、非常に不便になるばかりか孤独感を強めます。また、多くが県外資本で、利益の大部分を直接県外に流出させてしまいますので、地域経済は衰退します。ほとんどがパートやアルバイトであり低賃金の労働者を構造的に抱えてしまいます。安いといって喜んでばかりはいられません。そもそも、ロードサイド店はただの商業施設であり、永続的な街ではありません。恒久的な街をどう構築し育てていくかが、今求められています。
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(高知県安芸市の商店街。ここもすっかり活気を失っています。)
 
酒屋や米屋など個人の商店しかなかった頃には、コンビニにヤンキーがたむろし、ケンカすることは考えられませんでした。地域の精神まで荒廃してしまうのがファスト風土化です。ファスト風土化は「下流社会」で有名な三浦展氏の造語です。
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(東京都品川区の戸越銀座商店街。東京の商店街は今でも元気で、八百屋さんなどもしっかり営業しています。)
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(東京都品川区の武蔵小山商店街。お豆腐屋さん、お惣菜屋さん、お肉屋さん・・・と、地方都市では過去のものになりつつある日本の商店街が今でも元気です。お豆腐を自転車で配達していました。)

2)yassiさんは「中心市街地再開発と言いましても、駐車場を多く作っても街は活性化しない」とも言われています。そのあたり具体例で説明をお願いします。

 
よく中心市街地の衰退問題で、「駐車場が足りないからダメなんだ。もっと駐車場を増やすべき。」という意見を聞きます。今でも帯屋町などの商店主はそう考えているようです。しかし、残念ながら駐車場で街は活性化しません。まず、いくら整備したところで郊外並みには自動車のアクセスは便利になりませんし、駐車場の収容能力もかないませんそれに、道路を作れば作るほど、駐車場を増やせば増やすほど、街中が自動車のための空間に占拠されてしまいます。街並みは歯抜けになり、景観も損なわれます。商店の数自体も減るばかりか、街自体の、魅力を失いかえって衰退も招きかねません。
 
一方で、自動車中心から発想転換した都市は、一回寂れた中心市街地を見事に甦らせています。駐車場の供給ではなく、公共交通を重視し、トラムを整備する、繁華街で完全にクルマを閉め出し歩行者と公共交通のみの通行を許したトランジットモールを採用した都市もあります。ヒューマンスケールの歩いて楽しめる街にすることが、中心市街地活性化の秘訣です。
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(広島電鉄グリーンムーバーMAX。日本でも路面電車の活用などは可能性があります。http://www.hirolrt.com/より。)
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(オランダ・アムステルダムのトランジットモール。狭い街路から自動車を締め出して賑わい創出を図っています。http://www.arch-hiroshima.net/より。)

3)高知は車社会であると思います。しかし個人で車を所有しますと最近はガソリン代も値上がりし、税金や車検代金、保険代や駐車場代など維持費が馬鹿になりません。しかし車に乗れないと不便な高知県であると思いますが。そのあたりはどう思われますか?

 
クルマは金がかかりすぎます。そのため、僕はバカらしくて持とうという気にはなれません。ただ、免許は持っています。購入費、税金、保険代、車検代、駐車場代、ガソリン代、高速代、とにかくお金がかかります。すべてを勘案するとだいたい年間50万〜100万程度は、かかっているでしょう。一回、どこかにぶつけて板金修理するだけでも、十数万かかりますし。クルマが趣味という人は、そんな負担も苦にはならないでしょうが、大多数の人は、維持費に汲々としていると思います。現実には、家計を圧迫要因になっており、個人で持つには、極めてコストパフォーマンスの悪い乗り物です。
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(車は1台に1人で約7メートルのスペースをとります。すぐに道路容量一杯になります。)
 
ガソリン代は上がって、ますます維持費はかかりますが、郊外化により、より自動車を走らせなければならない状況を生んでいます。これでは、ますます生活は苦しくなりますね。とはいっても、なかなか自動車利用を節減する発想にまで至らないのが現実です。それだけ、自動車依存症になっているからでしょう。
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(レギュラーで147円。1リットル100円だった頃がウソのようです。)

4)「車を捨てて」とありますが、具体的にはどうなるのでしょうか?旧高知市街地であれば(東は葛島から西は蛍橋付近までであれば、路面電車と路線バス、自転車で殆ど用事はたせるとと思います。ただ自転車で走行する場合は、自転車道路がないところや、あっても狭い箇所や自転車やバイクが駐輪していて走りづらい箇所もあります。そうすれば良いと思いますか?

 
自転車は、「軽車両」に属する立派な車両です。そのため道交法では、車道の左側を通行することが原則になっています。まかり間違っても歩行者の仲間ではありません。歩道通行は、例外措置で標識のある歩道に限り、車道側を徐行して走るのがルールになっています。しかし、それは有名無実で、自転車は歩道を走るのが当たり前になっています。それが自転車の本来持ちうるポテンシャルを大いに阻害しています。歩道走行では、舗装が悪くて継ぎはぎだらけだったり、障害物が多い、交差点ごとに段差、勾配があるなど自転車が快適に速く走るには全く適していません。さらに歩行者にっては脅威です。自転車にはねられて死亡するという事故も起きています。歩行者が快適に街を歩けるように繁華街の歩道からでも全面通行禁止にしてみては。まずは、アーケード街からでも徹底してやればいいのにと思いますが。例えば、常時カメラで録画して、違反者はオビパラやひろめ市場あたりの街頭に、写真を貼って晒すぐらいのことをしたら、効果あるでしょう。
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(アーケード内は自転車は降りて押せとあれだけ言ってるに関わらず・・・。)
 
ちょっと自動車が怖いかもしれませんが、出来るだけ車道を走ることをオススメします。舗装がしっかりしているので歩道を走るのとは、比べ物にならないくらい快適に走れますし、スピードも出ます。さすがに、郊外のバイパス道路は、厳しいかと思いますが・・・。
 
ある程度のスピードが出てこそ、自転車が都市交通手段としての地位を得るわけです。私事ですが、中学生のころから夜須〜高知の22kmをジャスト1時間で走ることも、自転車の高速化により実現しました。土電バスより速い、しかもタダ。自転車のポテンシャルの高さをこの頃から認識するようになりました。
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(自転車は手入れがよければ寿命は長く経済的な乗り物です。)
 
自転車は、多くの人が思っている以上に快適な乗り物で、速度も出せ、
20km程度は楽に走れる航続距離を有しています。もし、自転車通勤するとしたら、半径15km程度までなら十分可能です。自転車ツーキニストを世に広めた疋田智さんはそうおっしゃられています。それは、はりまや橋を起点にすれば、東は野市、西は日下、高岡あたりまでとかなりの範囲が通勤圏に入ります。健康維持やガソリン代の節約に大いに有効であるし、地域のあらたな魅力発見もあるかもしれませんよ。
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(自転車通勤を世に広めた疋田智さん。)

5)yassiさんは「車を捨てることが環境対策になる。高知はエコ宣言をすべき」とも言われています。地方生活者に入り込み、生活の一部にまでなっている自動車。捨てることは可能なのでしょうか?

 
「ここではクルマがないと生活できない」というのは、決まり文句のように言われています。「できない」という言い方が示唆することは、自動車の所有や使用が積極的に求められる行為ではなく、むしろ消極的な意味を含んでいます。かつては、自動車を持つことに大きな夢がありました。しかし、今では、生活必需品となってしまい運転したくなくてもせざるを得ないものになっています。維持費がかかる、事故など起こしたら面倒だ、ストレスがたまるなど、できればないほうがいい、運転などしたくないという方は、結構いらっしゃると思います。
 
現状では、各家庭に1台はないとどうしても不便ですが、複数台所有することが果たして合理的なのか考え直してみるべきだと思います。そのうち1台は、ほとんど38kmほどの通勤にしか使ってないならば、自転車で十分代替できます。遠くに行く場合でもたまになら公共交通の利用もたいした負担にはなりませんし。現実に、約67割の自動車での移動は、半径7km以内に収まっていると言われています。近距離は、自転車で対応し、公共交通で不便な遠距離を走る場合に、家族で融通をきかして1台の自動車を使うなどすれば良いでしょう。自転車の移動能力を再認識することが、大きなカギになりそうです。
 
それでも必需品を手放すには勇気がいります。しかし、勇気出して手放した人は、なんでこんなものに乗っていたのだろうと不思議に思うとか。確かに、日々の維持費などを考える必要がなくなるので精神的に楽になるわけですね。
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(自転車を列車に持ち込めると便利です。浜田光男さん提供。)

6)中心街から車を締め出して(というか上手くコントロールして)活性化した都市の事例がありましたらご紹介くだしさいまた国内での事例もありますか。

 
様々な事例がありますが、一つだけ紹介します。米国オレゴン州ポートランドの例を簡単に説明します。1970年代より、バスを中心街では無料にするなど公共交通活用において先進的な取組みをしてきました。中心街と郊外を結ぶライトレールも20年前に開通し、現在でも路線を拡充中です。その他にも、駐車場の総量規制や公共交通整備とリンクした都市開発などで、自動車の氾濫を上手く抑えることに成功しました。その結果、人々が集い楽しめる都市空間を手に入れました。そういうこともあって、全米一住みやすい都市だと評価されています。
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(ポートランドのダウンタウン中心にあるパイオニア・コート・スクエア。まさに、市民の憩いの場です。ここはかつては駐車場だったようですが、市民がブロックを買い取る形で実現しました。高知市中心街にも中央公園があります。http://blogs.yahoo.co.jp/sandy_seattlewalkerより。)
 
翻訳家でエッセイストの渡辺葉さんは、ニューヨークを離れポートランドに
2年間暮らしていたようですが、ポートランドを選んだ理由の一つに、「公共交通が発達していてクルマなしでも生活できるということが挙げられています。また、サイトやブログをのぞいてみると、車なしで生活できるということは、結構好意的に受け止められています。
 
国内では、まだ本格的な実施例はありません。高知なら後免町や朝倉の旧道でトランジットモールを設定してもよさそうです。
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(後免町商店街。トランジットモールにして安心して歩ける街になれば再活性化の道が出てきます。)
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(商店街との提携も見られます。)

7)
自転車の効用について。自転車を都市生活で上手に活用している事例はありませんか?あればご紹介ください。

 
究極の自転車都市と言えば、ドイツのミュンスターが挙げられます。ここでは徹底しています。まず、駅前からして大規模な自転車の駐輪場が設けられています。いや、ただの駐輪場ではなく、一見、美術館かと間違うような外観でデザインからして日本の駅前によく見られる駐輪場とは別物です。さらに、レンタサイクル、自転車の修理や洗車のサービス、パーツの販売など「自転車の総合ステーション」と言うべき施設になっています
[参考サイト1] 自転車都市ミュンスター(自転車ツーリング再生計画)
[参考サイト2] 自転車都市・ミュンスター(ドイツ歴史古都連盟)
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(ミュンスター駅前の自転車ステーション。 http://www.kankyoshimin.org/bicycle/goal.htmlより。)
 
そして、市内には自転車の通行空間がよく整備されています。かつては、中心街も氾濫する自動車に悩まされていたそうですが、今では、旧城壁内は自動車は原則締め出し、歩行者と自転車、バスなどの公的車両のみしか入れないようになっています。自転車活用の結果、空気がきれいになる、交通事故も減る、渋滞も緩和するなど様々なメリットももたらしました。
 
ヨーロッパでは、オランダとデンマークが最も自転車活用に取り組んでいます。特に、オランダでは、国土の大部分が干拓地であり地球温暖化に対して危機感をもっています。一方で、フランスやイギリスでは、まだまだそれほどでもないようで、ヨーロッパといえどもピンからきりまであります。
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(オレゴン州ポートランドでは、自転車レーンが充実しています。http://www5d.biglobe.ne.jp/~okabe/sjohnson/より。)
 
さきほど挙げた米国オレゴン州のポートランドも全米で最も自転車交通が進んだ都市です。
10年間で、自転車利用が3倍に増えたとか。ライトレール車両やバスにも持ち込み可能であるなど自転車を活用する仕組みが整っています。
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(土佐電鉄の超低床車両ハートラム。低床式電車の導入も必要です。浜田光男さん提供。)

2007年03月28日

「踏み逃げ」「読み逃げ」 mixiはやはり特殊なネット環境だ!

公共交通のことでも最終処分場問題でもないが、今、ココログがメンテナンス中で使えないので、とりあえずこちらに記事を書こう。
 
最近、最大のシェアを誇るSNS「mixi」について、
 「読み逃げ」「踏み逃げ」は失礼な行為に当たる 
かということが話題にになっている。
「読み逃げ」とは、足あとをつけておきながら日記にコメントせず無言で立ち去ることだ。実際、プロフィールに足跡帳を作って「必ずメッセージを残すように」と、明言している人もいる。
 
しかし、一方で、
「なんで、日記見たからといって必ずコメント残さないかんの?」
「コメントを強制されるのはおかしい。コメントを残すか残さないかは自由。」
「異文化」
「読み逃げなんて言葉があるなんて。」
などと。 むしろ、こっちの方が多数派だ。
私も、基本的に同じ意見。閲覧しただけでコメントする義務があるなんてどうかしている。
だいたい、読まない限り(足あとつけない限り)コメントはできない。
それに、コメントを考えて文章にするにも、結構、時間と労力がかかる。忙しい時は、コメントまでする気になれないことも多いだろう。
それでも、コメントを強要するような態度をとるならば、絶対コメントを残す意志がない限り全く閲覧できなくなってしまう。
それは、書いた本人にとっても本末転倒だ。コメントを強要するあまり、書いたのに誰にも読んでもらえないとなったら、全く意味がないではないか?
コメントが残らなかったといって、「無視された」わけではなく、足あとを残したということは一応、開いて見た(しっかり、読んだかどうかは分からない)証拠である。むしろ、まず見て読んでもらえないとコメントなど全体に残せない。コメントするかどうかは、内容や時間の都合を勘案して閲覧者側が決めるものである。
 
    読む労力 <<<<<<<< コメントを書く労力
 
読むと書くでは、労力の差は相当あるので、強制させられるものではない。
読んでもらえるだけでも、文章の価値は認められたわけだ。いきなり、返事をするというレベルを要求するのは、読者にとんでもなく高いハードルを求めているということを認識すべきだ。
 
だいたい、一般のブログに「読み逃げ」なんて概念は存在しない
IPは解析できるものの、いちいちそこまでチェックしようなんて思わないし、詳しくは特定するのは不可能だ。むしろ開設しているからには、多くの方々に読んでほしい。その中でコメントがあると嬉しいのは確かだが。
ネットの世界なんて、99.9999%は「読み逃げ」「踏み逃げ」で成立していると思うのだが。
これだけとっても、mixiは特異なネット文化だ。よしあしは別にして。
 
mixiには、昨年9月から始めたが、ほどなく通常のネット環境とは相当異なることが分かってきた。
1997年頃のネット黎明期からの古参者として相当違和感をおぼえることが山積だ。
 
普通、一般のサイトやブログでは閲覧に関しては全くの自由だ。ネットにアクセスしているならば誰がいつどこで見てもそれを拒むことはありえない。お気に入りに入れて、時々更新をチェックするのも、少しずつ小分けにコンテンツを閲覧することも何ら問題はない。私だって、今まで普通にそうして来た。
それが、インターネットの最大の特徴かつ利点である。だからこそここまで普及したといえる。
 
しかし、mixiではその延長上で接するととんだ目に遭う。
最初の頃は、勝手が分からなくて、またどこに高校時代の同級生がいるか、コミュニティがどうなっているかどんな人が参加しているかなど調べまくった。
今までネットに接してきた要領で、mixiサーフィンしていた・・・・・。
人のアカウントに足あとを残しているなんて感覚はそれほどなかった。
 
どうらやそれがマズイようである・・・・。
それにしばらくして気づいた。
たまたま、ある顔見知りでもない人のアカウントをお気に入りに入れて、なんとなく時々見ていた。更新される日記が結構おもしろいからである。
だが、ある日、日記が「友人までの公開」になっていた。
「ひょっとして、自分の足あとが影響したかな?」と、少しは考えた。マイミクまでの公開にしたかったら、その変更は自由だと思う。別段これは全然問題ない。面白い日記が、見れなくなったのはちょっと残念だが仕方ない。その後も、なんとなくお気に入りサイトをのぞく要領で何回かアクセスしてしまい、ある日、自分の足あとにそのアカウントが・・・。こっちには、踏み返してこなかったので、いやな予感が・・・・・。
その予感は的中した。クリックしてみると・・・・・・。
 
「申し訳ございませんが、このユーザーのページにはアクセスできません。」
 
つまり、アクセス禁止にされたわけだ。
完全に後の祭り。謝罪しようにも、メッセージすら送れない。
 
正直こたえた。
特定の個人に対する一方的な排除だし、何の予告もなくいきなりアク禁にされたからだ。
日記を不特定ユーザーに見られたくなかったら、「友人までの公開」にすればすむ問題である。
 
見ただけで、アクセス禁止・・・・・。今までのネット社会では、考えられなかったことである。
掲示板やブログのコメントで、問題投稿を立て続けにした場合、投稿禁止になることはある。これは、当然の措置だと思う。
しかし、定期的に閲覧しただけで、制裁を受けるなんてまずありえない。サイトやブログの開設者も、匿名の不特定多数がアクセスすることを前提に開設しているからだ。むしろ、アクセスが増えた方が光栄だ。
 
mixiでは、足あとに、過敏に反応する人も少なからずいるようで、「足あと」という機能が、いろいろ厄介な問題を生んでいるのは確かだ。「踏み逃げ」もその一つである。
「足あとなんてあまり気にしないだろう」「自分の足あとなんて他のアクセスに埋もれているだろう」と、足あとを軽く見ていた。それ以来、閲覧に慎重にならざるを得なくなった。
 
確かに、今までサイトを持ったこともない人や、ネットに疎かった人が多く参加しているだけに、従来のコンセンサスとは相当異なるようだ。
どうやら、
迂闊にあちこちのぞかないという暗黙のルールが出来ているようだ
マイミクであっても日記をアップしないかぎり誰も足あとを残してはこない。いや、日記をアップしてもマイミクの2割も足あとが残ればいい方だ。やはり、迂闊に踏むと意思表示になり、行動記録が残るから躊躇してしまうものだろうか?
だから、「読み逃げ」について、確かに大量にコメントが付いている日記を見ると、mixiにそのような空気もあるように思える。そういう日記は、まず馴れ合い的なもので、「女子高生携帯メール交換」の延長線なんだと思う。「つながってないと不安」的な。
 
私は、足あと自体は否定しない。足あとに興味深い人が来てたら、こっちからコミュニケーションを取れるからだ。サイトでは、閲覧者が掲示板に書き込むかメール送ってこない限りそれはできない。
 
私のmixiアカウント、ブログは踏み逃げで、全然結構です。
 
posted by yassi at 08:15| Comment(2) | TrackBack(1) | SNS,ブログなど | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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